低温調理

トキソプラズマ 食中毒予防のために

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概要

トキソプラズマ(Toxoplasma gondi)猫を固有宿主とするコクジジウムの一種。

トキソプラズマはほぼ全ての温血脊椎動物(哺乳類・鳥類)に感染能を持つ。世界的に見ると全人類の1/3以上(数十億人)が感染しているとされる。

トキソプラズマのヒトに対する感染は、加熱の不十分な食肉に含まれるシスト、あるいはネコ糞便に含まれるオーシストの経口的な摂取により生じる。

オーシスト:オス・メスの生殖体が合体して融合体となり、それが皮膜で覆われたもの
シスト:原虫が皮膜で覆われ、一時的な自発活動休止様状態のもの

出展:国立感染症研究所 ホームページより

症状

どれくらいの量で発症するのか不明。

感染しても、無症状から頭痛、軽い発熱等の軽度の症状を示す場合が多いとされていますが、免疫の低下している人は重篤な症状を引き起こすため、注意が必要です。妊娠期間中に初めて感染した場合、胎盤感染が起こり、流産、死産、早産、胎児が感染したことによる脳症、水頭症、子供の発育不全、精神遅滞、視力障害などが起こる可能性があります。

成人でトキソプラズマに過去に感染し抗体を持つ人は2060%といわれてます。トキソプラズマの抗体の有無で、感染の危険性に違いがあるので妊婦の方は抗体のチェックを主治医に相談ください。

原因食品

主に加熱不十分な豚、羊、ヤギの肉、ヤギ乳

予防・対策

槌や砂を触ったら、手を洗う。

食肉は、十分に加熱する。

妊娠されていて猫を飼われている方は、こちらがとても参考になると思うので確認してください。妊娠したらネコはどうする?トキソプラズマ(外部リンク)

汚染実態

日本国内では、豚の抗体保有率は1~6%程度

死滅温度と時間

D値は遺伝子型、脂肪量、pH、水分活性その他の要素で異なります。D値とは初期数を10分の1にするのにかかる時間。

シストは-10℃で2日間では生残、55℃5分間、50℃10分間で感染性消失。 (食品安全委員会, 2009)

肉を加熱して66℃を超える温度に達すると、肉のシストを殺すのに十分である。(Goldsmid et al.,2003

線形回帰モデルから、豚肉におけるシストのD値 (MPI, 2008)

49℃ 336秒 55℃ 44秒、61℃ 6秒、67℃ 1

凍結すると、肉組織のシストが感染性を失う。さまざまな報告が-6℃-40℃の温度でこの効果を説明している。

組織嚢胞は、-6.7℃で最大11.2日間、-3.9℃および-1℃で最大22.4日間生存したままであった。しかし、嚢胞は、非常に少数の場合を除いて、すべての時点で-9.4℃以下の温度で非感染性であった。熱死滅曲線から、トキソプラズマが瞬間的に不活性化される理論的温度として、-12.4℃の温度が得られた。

胞子形成されたオーシストは、-21℃28日間にわたり一定の凍結によって死滅するが、-21℃と室温との間では変動しない。

オーシストは、60℃1分間加熱すると水中で不活性化された。

 

おわりに

食中毒の原因のひとつであるトキソプラズマについて、正しく恐れるための参考になればと思います。正しく恐れ、正しく予防・対策をすることで食中毒にならないように。また高齢者、妊婦、小児等の一般的に抵抗力の弱い方については、より一層の注意が必要です。特に、トキソプラズマ抗体を持たない妊婦の方は注意を

D値を載せてありますが、あくまでトキソプラズマについてだけのものであり、他にも食中毒の原因となる菌やウイルスなどあります。ですのでこの温度と時間での低温調理が安全であるということではありません。

 

参考:国立感染症研究所HP

農林水産省 食品安全に関するリスクプロファイルシート

内閣府 平成21年度食品安全確保総合調査 「食品により媒介される感染症等に関する文献調査報告書」 社団法人 畜産技術協会作成 平成223

厚生労働省HP

「食品衛生の窓」東京都福祉保健局 HP

公益社団法人 日本食品衛生協会 HP

食品安全委員会 食肉の寄生虫汚染の実態調査と疫学情報に基づくリスク評価手法の開発

食品安全委員会 「微生物・ウイルス・寄生虫評価書 豚の食肉の生食に係る 食品健康影響評価」 2015年2月

MPI - Ministry for Primary Industries New Zealand HP

Department for Environment, Food & Rural Affairs - GOV.UK HP

Risk Profile: Toxoplasma Gondii in red meat and meat products MPI Technical Paper No: 2015/08 Prepared as part of a New Zealand Food Safety Authority contract for scientific services January 2008

Fathi A. El-Nawawi, Mohamed A. Tawfik, and Raafat M. Shaapan ‘Methods for Inactivation of Toxoplasma gondii Cysts in Meat and Tissues of Experimentally Infected Sheep’ FOODBORNE PATHOGENS AND DISEASE Volume 5, Number 5, 2008









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