低温調理

サルコシスティス 食中毒予防のために

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概要

サルコシスティス(Sarcocystis spp.) 嚢胞形成原生動物寄生虫 ブタ、ウシなどの筋肉に寄生したサルコシスティス属の胞子虫を加熱不十分の肉を摂取して感染し、住肉胞子虫症を発症。これらの寄生虫は、最終的な宿主と中間宿主との間に間接的なライフサイクルを有する。 肉食性の最終宿主では腸内感染が起こり、中間宿主では嚢胞形成を伴う組織浸潤が起こる。サルコシスティス属は 家畜、他の哺乳類(ヒトを含む)、鳥類および下等脊椎動物の共通の寄生虫である。 サルコシスティス(Sarcocystis)の約130種が同定されている。

症状

ヒトが終宿主となる場合の消化管サルコシスティス症で、食肉摂食後3~6時間で下痢、嘔吐、腹痛等の消化器症状が現れるが、これらは一過性で回復する(1日程度)。筋肉サルコシスティス症は、ある種の動物(終宿主)が排出したオーシストが水や食物を汚染し、ヒトがそれを経口摂取することで、消化管を経て筋肉内にて増殖しザルコシストが形成される。主として発熱と筋肉痛の症状があらわれるが数週間程度で寛解する。ほとんどの場合、無症状に経過する。

重症化事例の報告はない。

オーシスト:オス・メスの生殖体が合体して融合体となり、それが皮膜で覆われたもの

シスト:原虫が皮膜で覆われ、一時的な自発活動休止様状態のもの

ザルコシスト:Sarcocystis属が中間宿主の筋肉中に形成するシスト

原因食品

消化管サルコシスティス症は原因となるサルコシスティスの種類はSarcocystis hominis (ウシが中間宿主)とS. suihominis (ブタが中間宿主)で、ザルコシストを含む生(なま)、あるいは加熱不十分な牛肉、豚肉。

筋肉サルコシスティス症は、ある種の動物(終宿主)が排出したオーシストに汚染された水や食物。

予防・対策

食肉からの感染を防ぐには、加熱調理、冷凍処理が有効。豚肉の場合、70℃で15分あるいは100℃で5分間の加熱、また、-4℃で48時間あるいは-20℃で24時間の凍結

死滅温度と時間

Sarcocystis giganteaスポロシストは、それぞれ60℃5分間、55℃60分間加熱することによって破壊される。(McKenna and Charleston 1992)

60℃以上で1分間加熱するとS. neuronaを破壊する。

スポロシスト:胞子・芽胞(spore) をもつ嚢子・シストを意味する

おわりに

食中毒の原因のひとつであるサルコシスティスについて、正しく恐れるための参考になればと思います。正しく恐れ、正しく予防・対策をすることで食中毒にならないように。また高齢者、妊婦、小児等の一般的に抵抗力の弱い方については、より一層の注意が必要です。

 

参考:国立感染症研究所HP

内閣府 平成21年度食品安全確保総合調査 「食品により媒介される感染症等に関する文献調査報告書」 社団法人 畜産技術協会作成 平成223

厚生労働省HP

「食品衛生の窓」東京都福祉保健局 HP

公益社団法人 日本食品衛生協会 HP

食品安全委員会 食肉の寄生虫汚染の実態調査と疫学情報に基づくリスク評価手法の開発

食品安全委員会 「微生物・ウイルス・寄生虫評価書 豚の食肉の生食に係る 食品健康影響評価」 2015年2月

MPI - Ministry for Primary Industries New Zealand HP

Department for Environment, Food & Rural Affairs - GOV.UK HP

the center for food security and public health  factsheet

Biosecurity Science and Risk Assessment Directorate Ministry for Primary Industries 'Biosecurity import risk analysis: Meat and meat products from ruminants and pigs’ DRAFT for Public Consultation February 2014

Ronald Fayer ‘Sarcocystis spp. in Human Infections’ Clin Microbiol Rev. 2004 Oct; 17(4): 894–902.









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