低温調理

低温調理って何?

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最近ではテレビなどのメディアでも低温調理の話題を目にすることが増えましたよね。以前は海外からの並行輸入の低温調理器ばかりだったのが、今では家電量販店でも取り扱われるようになってきました。

低温調理とはどんな調理法なのか

真空低温調理とも呼ばれ、材料をフィルムに入れ真空パックし温度と時間を管理できる調理器で食材に応じた温度(通常100℃以下)と時間で調理することです。

わかりやすくいうと、食材を保存袋にいれ空気を抜いて温度管理のできたお湯で食材に応じた時間加熱する調理法。

低温調理のメカニズム

肉は約75%の水分、20%のたんぱく質、残り5%が脂質その他の物質で構成されています。普段の料理はこのたんぱく質を変化させるために加熱しています。焼いて色が変わったり、硬くなったり水分が出たり、縮んだりするのは熱によってたんぱく質が変化するからなのです。ここで注目①筋原線維たんぱく質、②筋形質たんぱく質、③結合組織を構成するたんぱく質、の3つです。

筋原線維たんぱく質 ミオシン アクチンなど

このたんぱく質は、35~40℃から収縮し、80℃まで収縮する。40℃~60℃、筋肉繊維は横方向に収縮し、繊維間の隙間を広げげ、60〜65℃では、筋繊維は縦方向に収縮し、水分を流出することを引き起こす。

筋形質たんぱく質 酵素 ミオグロビンなど

このたんぱく質は、加熱されると膨張する。この変化は40℃から始まって60℃で終わる。肉の色味に影響している。

結合組織を構成するたんぱく質 コラーゲン

コラーゲンは約60℃で収縮し始め65℃を超えるとより激しく収縮する。

肉を加熱し、たんぱく質が収縮、凝固すると、たんぱく質に保持されていた水分が保持されずに分離してしまい、肉汁として流出してしまい硬くなってしまう。そうならない温度で調理することでジューシーでやわらかい料理をつくるというのが低温調理の仕組みです。

 

低温調理のメリット(低温調理器使用)

簡単調理

基本は食材をパックに入れて空気を抜いて温浴調理・湯煎するだけで簡単です。

美味しい

プロの料理人がやるような難しい火入れが自宅でできやわらかくジューシーな一皿が楽しめる。また少ない調味料で調理できる。

健康的

ひとつの袋内で調理が終わるので栄養素やうま味が逃げない。揚げる、焼く、焙るなどの高温での加熱(120℃以上)で神経の形態変化や発がんを引き起こす懸念があるアクリルアミドが生成されるのですが、ゆでる、蒸す、低温調理では含まれないか含まれても微量なので健康リスクが減る。アクリルアミドについて詳しく知りたい方はリンクから  農林水産省アクリルアミドに関する情報>>

 

低温調理のデメリット

衛生面で気を使う

低い温度での調理なので食中毒の原因菌などを殺菌するのに、高い温度と比べて時間がかかるので、ハンバーグの生焼けに気を使うのと同じように衛生面に配慮が必要になる。低温調理は牛乳の低温殺菌と同じ原理なので、正しく理解すれば過剰な心配の必要ない。

時間がかかる

普段の料理と比べて、低い温度での加熱なので火入れや殺菌に時間がかかるため長い湯煎時間が必要になる。しかし鍋につきっきりで火の番をするわけではなく、時間まで放置するだけでほかの家事や料理・好きなことにに時間を使える。

コストがかかる

真空パック器とそのフィルム代か、ジップロックなどの保存袋で空気を抜いて擬似真空するのでその費用がかかる。ある程度大きな鍋が必要なので家庭にない場合はその購入も。

 

まとめ

時間と温度を決めて放置するだけで家庭でも高いクオリティーの料理ができる。メディアは言わないが、いいことばかりではない。

 

参考:Douglas E. Bakdwin (2012)“Sous Vide Cooking: A review”International Journal of Gastronomy and Food Science 1 pages15-30

宝酒造HP 食感に関する基礎知識 

農林水産省 アクリルアミドに関する情報









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